BR1000S-JPの前面ディスプレイに、バッテリーに×が付いたアイコンが出たときは、まず警告音の種類で状態を分けます。ピーーという連続音はバッテリー未接続、5時間ごとに1分間のピッピッという短音は自動セルフテストでの交換判定です。購入直後ならバッテリーの接続で解消し、購入から3年以内はメーカー保証で相談、5年を経過した本体はバッテリーではなく本体の買い替えがメーカーの案内です。
交換用バッテリーを買う前に、保証と本体の使用年数を確認し、メーカーへ相談してください。保証期間3年を過ぎてもメーカーの推奨は本体交換です。5年に差しかかる本体では買い替えを優先し、5年未満で電池交換が適切と確認できた場合だけ交換キットを検討します。この記事はBR1000S-JP専用です。BR1000G-JPやBR1200S-JPなど別型番には当てはめないでください。
最初に確認する3点:型番・使用年数・警告音
判断に必要なのは、底面ラベルの型番、購入日と使用開始時期、警告音の鳴り方の3点です。この3つがそろえば、無料で直せる状態か、保証で相談すべきか、電池交換か本体の買い替えかを切り分けられます。
- 型番:メーカーは、バッテリー購入前にUPS本体の「底面のバーコードラベルが印字されているシール」で、製品型番がBR1000S-JPであることを確認するよう求めています。
- 使用年数:購入日(保証の起算日)と使用開始時期を確認します。メーカーはBR1000S-JPについて「2016年より長期間販売している製品です」として、使用開始時期の確認を促しています。
- 警告音:鳴り続ける連続音か、5時間ごとに1分間鳴る短音かを聞き分けます。
連続音と5時間ごとの短音は意味が違う
×アイコンの警告は、警告音によって2種類に分かれます。ピーーという連続音は、接続確認でバッテリーの電圧が基準を下回り、バッテリー接続が必要と判断された状態です。5時間ごとに1分間のピッピッという短音は、セルフテストでバッテリーの劣化を検知した状態です。対処が異なるため、消音する前に鳴り方を確認してください。
| 警告音 | メーカーFAQでの意味 | 次の確認 |
|---|---|---|
| ピーーという連続音 | バッテリー未接続 | 購入直後ならバッテリーを接続。使用中なら使用年数で判断 |
| 5時間ごとに1分間のピッピッという短音 | 自動セルフテストで交換が必要と判定 | 使用年数で保証相談・電池交換・本体交換を判断 |
連続音について、メーカーFAQは「ピーーという連続音が鳴動している場合は、バッテリー未接続を示します」と説明しています。使用中の本体では、劣化が進んで「バッテリーが接続されていてもバッテリー未接続と判断」される場合や、耐用年数5年を超えた本体の不調でバッテリーを認識できない場合もあるとされています。
短音について、メーカーFAQは「自動セルフテストでバッテリー交換が必要と判定されたことを示します」としています。APC RSシリーズは「2週間に一度、自動セルフテストにて10秒間のバッテリー運転」を行い、バッテリーの状態をチェックしています。
出典:APC RSシリーズ バッテリーに×がついたアイコンが表示された際の対処方法(Schneider Electric 日本)
ミュートは一時停止で、解決ではない
警告音はミュートボタンの長押しで一時停止できますが、警告そのものは解除できません。メーカーFAQは「警告音を一時停止することは可能です。本体のミュートボタンを長押ししてください」としたうえで、「本事象は重大イベントとなるため」警告音の解除はできないと明記しています。音を止めたあとも、以下の手順で原因に対処してください。
購入直後の連続音はバッテリー接続で解消する
買ったばかりのBR1000S-JPで×アイコンと連続音が出る場合は、バッテリーを接続すれば解消します。メーカーは「弊社UPSはバッテリーの接続を外して出荷しております」と案内しており、この状態で交換用バッテリーを買う必要はありません。
- 本体に貼られている黄色いシールの記載に従い、使用前にバッテリーを接続します。
- 接続方法は、メーカーFAQで案内されているBR1000S-JP/BR1200S-JPの初回導入方法の動画で確認できます。
- 接続後も連続音が続く場合や、接続作業に不安がある場合は、保証期間内としてメーカーのカスタマーサポートへ相談してください。
使用年数で決める:3年以内・3〜5年・5年経過
警告の原因がバッテリーの劣化や未認識であれば、次の行動は使用年数で決まります。購入から3年以内は保証でメーカーへ相談、保証期間3年を超えた場合のメーカー推奨は本体交換、5年を経過した本体はバッテリー交換ではなく本体の買い替えです。
| 購入・使用開始からの期間 | メーカーの案内 | 交換用バッテリーの購入 |
|---|---|---|
| 3年以内 | カスタマーサポートへ連絡。原因の切り分け後、必要と判断された交換品が先出しで送付される | 不要(まず保証で相談) |
| 3年超〜5年未満 | バッテリー交換が可能な場合もあるが、本体交換を推奨 | メーカー相談後、電池交換が適切な場合のみAPCRBC123J |
| 5年経過(長期未使用を含む) | バッテリー交換ではなく本体の買い替え | 購入しない |
3年以内:キットを買う前に保証で相談する
購入日から3年以内なら、交換キットを買う前にメーカーのカスタマーサポートへ連絡します。メーカーは「原因切り分けののちに必要と判断しました交換品を先出しセンドバックにて送付」し、交換後の製品回収まで保証の範囲内で手配すると案内しています。交換作業は利用者が行います。何が送られるかは切り分けの結果で決まるため、新品バッテリーが必ず届くとは限りません。
3年超〜5年未満:本体交換が推奨、電池交換も選べる
保証期間を過ぎた場合、メーカーは「バッテリー交換が可能な場合もありますが、本体交換をおすすめしております」としています。理由として「APC RSシリーズのUPS本体の耐用年数, サポート期間は5年です」と挙げ、バッテリー寿命は周囲温度25℃・電源が安定した環境での使用時で約3〜4年と示しています。
電池交換を選んだ場合も、次の交換時期には本体が耐用年数に差しかかるため、そのときは本体の買い替えが前提です。交換後にサポート期間を過ぎて動作に不調や異常が出た場合、メーカーは製品故障を疑い使用を中止するよう求めています。電池交換と本体交換で迷う場合は、購入前にメーカーへ相談してください。
5年経過:電池ではなく本体を買い替える
使用開始から5年を経過したBR1000S-JPには、交換用バッテリーを買わないでください。メーカーは5年のサポート期間を設計上の標準使用期間とし、「長期間使用していなかった製品を含め、5年を経過した製品はバッテリー交換ではなく」本体を買い替えるよう案内しています。耐用年数5年を超えた本体では、連続音が本体の不調によるバッテリー未認識を示している場合もあります。
出典:バッテリー交換手順 APC RS (BR1000S-JP, BR1200S-JP)(Schneider Electric 日本)
電池交換を選ぶ場合の適合キットはAPCRBC123J
BR1000S-JPの純正交換用バッテリーキットはAPCRBC123Jです。同じAPC RSシリーズでも、BR1200S-JPの交換用キットはAPCRBC124Jで別の型番です。購入前に底面ラベルで本体の型番を確認し、メーカーの対応表と照合してください。
| UPS本体の型番 | 交換用バッテリーキット(メーカー対応表) |
|---|---|
| BR1000S-JP | APCRBC123J |
| BR1200S-JP | APCRBC124J |
メーカーの交換手順FAQには「BR1000S-JP (APC RS 1000VA Sinewave) の交換用バッテリーキットは 型番: APCRBC123J」と記載され、型番対応表でも同じ組み合わせです。対応表は「必ずUPS型番を確認のうえで適切な交換用バッテリーキットをご購入ください」と注意しています。
出典:APCブランドUPS 交換用バッテリーキット型番対応表(Schneider Electric 日本)
Amazon.co.jpでは、APCRBC123Jが「APC BR1000G-JP UPS交換用バッテリーキット APCRBC123J 無停電電源装置」という商品名で掲載されています。商品名のBR1000G-JPは販売・サポートを終了したGシリーズのUPS本体名で、BR1000S-JP向けに照合すべきなのはキット型番のAPCRBC123Jです。届いた現物のラベルでも型番を確認してください。
購入直後ならまず接続確認、購入から3年以内なら保証での相談、5年に差しかかる・5年を経過した本体なら本体の買い替えを優先してください。このキットは、使用年数と保証を確認してメーカーへ相談し、電池交換が適切と判断できた場合だけ検討します。
停止して行うバッテリー交換手順
交換は、接続機器とUPSを停止し、入力ケーブルを商用電源から抜いた状態で行います。BR1000S-JPは「設置方向によりホットスワップ交換に対応しています」が、メーカーは重要な機器を接続している場合などは「UPSを停止したうえでバッテリー交換をすることを推奨」しています。この記事では停止して行う手順だけを扱います。作業前にメーカーの交換手順FAQも確認してください。
手順は次の7ステップです。
- 接続しているパソコンなどの負荷機器を停止します。そのうえで「UPS本体に接続されている負荷機器のコンセントをすべて取り外したのち、電源を切り、UPSの入力ケーブルを商用電源から抜きます」。
- 「UPS側面のAPCロゴが上になるように本体を倒します」。バッテリーカバーのツメを押し込んでからスライドさせ、カバーを外します。
- 「つまみラベルを両手で持ち、ゆっくりとバッテリーを装置から引き出してください」。端子が見えるところまで引き出します。
- 「前面パネルの電源スイッチを2〜3回押して、装置内部にたまっている電気を放電します」。このとき警告音が鳴ることがありますが、メーカーは問題ないとしています。
- 古いバッテリーを取り出し、「新しいバッテリーを緑色のシール面を上にして、本体の奥までゆっくりと挿入します」。バッテリーには緑色と赤色のシール面があります。
- バッテリーカバーを取り付けます。
- バッテリーカバーがしっかり取り付けられたことを確認します。
BR1000S-JPはバッテリーを含めた「本体重量は約11.3kg」の重量物です。倒すときや運ぶときは落下に注意し、運搬時は機器を水平に保ってください。バッテリーが引き出せないなど無理な力が必要な場合や、本体・バッテリーに変形や異常な発熱など普段と違う点がある場合は、作業や使用を続けずメーカーへ相談してください。
交換後は約8時間充電し、セルフテストの結果を待つ
交換したバッテリーは十分に充電してから使用を再開します。BR1000S-JPは「商用電源に接続されていれば、常にバッテリーの充電がおこなわれます」とされ、UPSの電源のオン/オフは関係ありません。
- 充電:メーカーFAQでは「交換後のバッテリーはおよそ8時間で充電が完了します」とされています。
- ×アイコン:「このバッテリー交換アイコンはセルフテストでのみ点灯し」、再度セルフテストが実行されて「テストにパスすると解除されます」。自動セルフテストは2週間に一度です。
- 確認方法の注意:稼働中に入力ケーブルを抜いて停電を再現する確認は、接続機器を守れないおそれがあるため、この記事ではおすすめしません。
使用済みバッテリーはメーカーが回収する
取り外したバッテリーはメーカーが回収を受け付けています。「送料元払い(お客様負担)となりますが、事前の申し込みや処理費用は不要です」。送付には購入したバッテリーキットの梱包箱を使うよう案内されているため、新しいキットの梱包箱は捨てずに保管してください。
よくある質問
ミュートボタンで警告音を止めれば使い続けてよいですか?
ミュートは警告音の一時停止で、警告の解除ではありません。×アイコンの原因は残っているため、警告音の種類と使用年数に応じて、バッテリーの接続、保証での相談、電池交換、本体の買い替えのいずれかで対処してください。
バッテリーを交換したのに×アイコンが消えません。
交換アイコンはセルフテストでのみ点灯し、次のセルフテストに合格すると解除されます。自動セルフテストは2週間に一度のため、交換直後にはまだ表示が残っている場合があります。約8時間の充電後もしばらく改善しない場合や、連続音に変わった場合は、メーカーへ相談してください。
ほとんど使っていないUPSなら、5年を過ぎても電池交換できますか?
メーカーは、長期間使用していなかった製品も含め、5年を経過したBR1000S-JPは本体の買い替えを案内しています。使用頻度が少なくても、5年を過ぎた本体に交換用バッテリーを買うのは避けてください。
BR1200S-JP用のキットを選んでもよいですか?
メーカーの対応表では、BR1000S-JPの交換用キットはAPCRBC123J、APCRBC124JはBR1200S-JP用です。BR1000S-JPにはAPCRBC123Jを選んでください。
まとめ
- 連続音はバッテリー未接続、5時間ごとに1分間の短音はセルフテストでの交換判定。
- 購入直後の連続音は、バッテリーを接続すれば解消し、キットの購入は不要。
- 購入から3年以内は、キットを買う前にメーカーのカスタマーサポートへ相談。
- 3年超〜5年未満のメーカー推奨は本体交換。メーカー相談後に電池交換が適切と判断できた場合のみAPCRBC123Jを停止状態で交換し、約8時間充電する。
- 5年を経過した本体は、長期未使用でもバッテリーではなく本体を買い替える。
UPSは接続機器の電源を守るための機器です。作業前にメーカー公式の手順と対象型番を確認し、判断に迷う場合はメーカーへ相談してください。

