DJI Mic 2をカメラにつないでも音が入らない時の切り分け|TX・RX・カメラ録画の3段階チェック

ワイヤレスマイクの受信機からケーブルでカメラへ音声を送る接続イメージ

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DJI Mic 2をカメラにつないでも録画に音が入らないときは、まずレシーバー(RX)の出力部からカメラのマイク端子までの有線経路を確認します。RXの画面で音量表示が動いていても、それはトランスミッター(TX)からRXまで音が届いているという意味で、カメラに録音できている証明にはなりません。TXの単独録音、RXの音量表示、カメラの録画ファイルの3段階を別々に確認すると、音が途切れている場所を絞り込めます。

Contents

まず確認する6項目

次の6項目は追加購入なしで確認できます。上から順に見て、異常が見つかったら該当する章へ進んでください。

  1. RX画面でTXのリンク状態を確認する。緑色点灯はリンク済みの表示だが、LEDの無効化やノイズ低減の表示もあるため、LEDの色だけで判断しない
  2. RX画面でミュートを解除する。録音ステータスLEDの赤色点滅もミュート中の目印になる
  3. 付属のカメラケーブルが、RXのモニターポートではなく出力部(OUT)に挿さっている
  4. ケーブルのもう一方が、カメラのマイク端子に挿さっている
  5. カメラが音声を記録する設定・撮影モードになっている
  6. 短い試し撮りを再生し、実際に音が入っているかを耳で確かめた

この記事の対象:TXとRXをケーブルでカメラにつなぐ構成

対象は、DJI Mic 2のTXとRXをリンクし、RXをカメラのシューに載せて、付属のカメラケーブルでカメラのマイク端子へつなぐ構成です。DJI Mic 2 ユーザーマニュアル(v1.2・日本語PDF)は、カメラでの使用について「付属のカメラケーブルを使用してレシーバーをカメラのマイクポート」に接続すると説明しています。

シューはRXを固定するための部品です。DJI Mic 2 ビギナーガイド(DJIヘルプセンター)も「レシーバー上のカメラコールドシューを利用して、レシーバーをカメラのコールドシュー/ホットシューに取り付けることができます。」としたうえで、音声はカメラ音声ケーブル経由でカメラのマイク接続ポートへ送ると案内しています。シューに載せただけでは、音声はカメラへ渡りません。

音声の通り道は次の順です。

  1. TXのマイクで集音
  2. 無線でRXへ送信
  3. RXの3.5 mm TRS出力部(OUT)から出力
  4. 付属のカメラケーブルを通ってカメラのマイク端子へ
  5. カメラが録画ファイルに音声を記録

スマートフォンへのBluetooth接続、Osmo Pocket 3などへの直接接続、パソコンへのUSB接続、DJI Mic MiniやDJI Mic 3は経路や操作が異なるため、本記事の手順の対象外です。画面の項目名は2024.04版マニュアルの表記に基づいています。

3段階で切り分ける:TX単独録音・RXの音量表示・カメラ録画

音の流れは「TXで拾う」「RXに届く」「カメラに記録される」の3段階に分かれます。判定には、TXの単独録音ファイル、RX画面下部のリアルタイム音量表示、カメラで撮った試し撮りの再生音を使います。RXで音量が見えるのは2段階目までの成立で、3段階目は再生しないと確認できません。

状態 優先して調べる区間 次に確認すること
RXの音量表示が動かない TX→RX(無線区間)またはTXの入力 リンク状態とミュート(次章)
RXの音量表示は動くが、録画を再生すると無音 RX→カメラ(有線区間)またはカメラ側 ケーブルの差し先、カメラの音声記録設定とゲイン
録画は無音だが、TXの単独録音ファイルには音がある TXより後ろの経路 RX以降を確認。音声はTXのファイルから使える
RXの音量表示は動き、録画にも音がある 試し撮りの音声収録を確認できた状態 本番前に同じ設定で試し撮りを再確認

TXとRXのリンク・ミュートを確認する

RXの音量表示が動かないなら、TXとRXのリンクとミュートを先に確認します。マニュアルの表示説明では、TXのシステムステータスLEDが緑色に点灯していればRXとリンク済み、ゆっくり緑色に点滅していれば未リンクです。録音ステータスLEDの赤色点滅は、「トランスミッターはミュートされています」という表示です。LEDをオフにする設定やノイズ低減による色の変化もあるため、RX画面のリンク・ミュート表示と合わせて確認してください。

確認と復旧の手順は次の4ステップです。

  1. LEDの色を見る:システムステータスLEDが青色なら、TXはBluetoothのリンクモードです。録音ボタンを3秒間長押しすると、DJI Mic 2レシーバー用とBluetooth用が切り替わります。
  2. 充電ケースで再リンクする:マニュアルには「トランスミッターとレシーバーを充電ケースに入れると、自動的にリンクします。」とあります。
  3. 手動でリンクする:TXのシステムステータスLEDがゆっくり緑色に点滅している状態でTXのリンクボタンを2秒間長押しし、RX画面を下にスワイプして[レシーバー設定]>[デバイスをリンク]から[リンク]をタップします。[デバイスをリンク]をタップすると、以前にリンクしていたデバイスは忘れられるため、TXを2台使う場合はもう1台も同じ手順でリンクし直します。
  4. ミュートを解除する:RXのホーム画面の左側を上にスワイプするとTX1、右側を上にスワイプするとTX2の操作画面になります。ミュートのアイコンをタップすると、ミュートと解除が切り替わります。

RX画面下部には、TXの内蔵マイクからの音量と、TXに接続した外部マイクからの音量がそれぞれ表示されます。ミュート中は表示が変わるため、話しかけて表示が動くかどうかで無線区間の成立を判断できます。

RXの出力部(OUT)からカメラのマイク端子へつなぐ

カメラへ音を送るのは、RXの「3.5 mm TRS出力部」(OUT)です。RXにはもう1つ3.5mm端子のモニターポートがあり、マニュアルでは「3.5mm TRSヘッドフォンを接続して、トランスミッターの音質を監視します。」と説明されるヘッドホン用の端子です。RXの音量表示が動くのに録画が無音なら、まずケーブルの差し先を確認します。

接続の確認は次の5ステップです。

  1. RXをカメラのシューに取り付ける
  2. 付属のカメラケーブルの一端を、RXの出力部(OUT)へ奥まで挿す
  3. もう一端を、カメラのマイク端子へ奥まで挿す。カメラのヘッドホン端子と取り違えていないか、端子の位置はカメラのマニュアルで確認する
  4. 付属のカメラケーブル以外で代用している場合は、付属のケーブルに戻して試す。マニュアルはカメラ接続を3.5mm TRSケーブルとして説明しているため、スマートフォン用など仕様の異なるケーブルを同じものとみなさない
  5. 付属品と同じ仕様の別のケーブルや別のカメラがあれば入れ替えて試し、ケーブル・RX・カメラのどれで再現するかを記録する

端子やプラグが曲がっている、ぐらつくといった物理的な損傷がある場合は、自分で曲げ直したりせず、使用をやめてDJIサポートに相談してください。

カメラ側の音声記録とゲインを確認する

ケーブルが正しくても、カメラが音声を記録しない設定や撮影モードになっていると録画は無音になります。外部マイク入力、音声記録、録音レベルの項目名や場所はカメラごとに違うため、手元のカメラのマニュアルで確認してください。DJI Mic 2側では、カメラで使う場合に「レシーバーのゲインを上げ、カメラのゲインを下げて」音声を収録することが推奨されています。

RXの出力ゲインとモニタリング音量は別の設定

RX画面を下にスワイプした操作メニューには、[レシーバーゲイン]と[音量]が別々にあります。[レシーバーゲイン]はRXの出力ゲインを調整する項目です。[音量]については「タップして音量スライダーを開き、スライダーを動かしてモニタリング音量を調整します。」とあり、ヘッドホンで聞く音の大きさの設定です。ヘッドホンで大きく聞こえても、カメラへの出力が十分とは限りません。

同じメニューの[推奨されるカメラ設定]でカメラのブランドとモデルを選ぶと、RXのゲインが自動的に設定されます。選択中のカメラモデルはホーム画面の上部に表示されます。

電源同期機能でRXが切れていないか

[レシーバー設定]の「カメラの電源オン/オフ同時操作」を有効にしていると、カメラの電源がオフのときや、選択した撮影モードで音声が録音されないときに、RXの電源が自動的にオフになります。撮影モードを切り替えたときにRXが消える場合は、カメラ側が音声を記録するモードかを確認し、切り分けの間はこの機能をオフにして試してください。

短い試し撮りを再生して確かめる

設定を直したら、本番前に短い試し撮りをして、カメラで再生するかパソコンに取り込んで音を聞きます。RXの音量表示やモニターポートのヘッドホン音は、TXからRXまでの音を確認するものです。カメラのファイルに音が入ったかどうかは、再生しないと判断できません。

確認は次の4ステップです。

  1. TXに向かって話し、RX画面下部の音量表示が動くことを確認する
  2. カメラで短く録画する
  3. 録画を再生し、声が入っているかを聞く
  4. 無音なら、前述の切り分け表に戻って止まっている段階を特定する

TX単独録音はバックアップ。カメラの無音を後から直す機能ではない

公式ビギナーガイドのとおり「トランスミッターには単独で録音する機能が搭載されており」、8GBの内部ストレージに最大14時間の48 kHz 24-bit非圧縮音声を保存できます(公式値)。TXの電源が入った状態で録音ボタンを1回押すと録音が始まり、もう一度押すと止まります。単独録音中は録音ステータスLEDが赤色に点灯します。録音したファイルは、TXをデータケーブルでパソコンに接続して書き出せます。

TXの設定にある「32ビットフロート録音」は、TXの単独録音ファイルを32ビットフロートで記録する機能です。DJIヘルプセンターの機能解説にも「本機能は内部収録時にのみ有効に設定することができます。」とあり、カメラ側の録音形式を変えるものではありません。また、撮影時にTXが単独録音していなければファイルは残らないため、無音だった撮影の音声を後から取り戻せるかは、まずTX内にその時間帯のファイルがあるかで判断します。

大事な撮影では、TXの設定で[自動録音]を有効にしておくと、TXの電源が入るか充電ケースから取り出した時点で単独録音が始まります。カメラ側の録音とは別の保険として使えます。

直らないときのサポート相談と、買い替えを考える条件

リンク、ケーブルの差し先、カメラの設定を確認しても録画が無音なら、どの段階で音が止まるかを記録してDJIサポートに相談します。付属品と同じ仕様の別ケーブルや別のカメラで再現するかを確かめておくと、RX・ケーブル・カメラのどれに原因があるかを伝えやすくなります。

相談前に整理しておく情報は次のとおりです。

  • RXの音量表示が動くかどうか
  • TXの単独録音ファイルに音が入っているか
  • 使ったケーブル(付属品か、それ以外か)と差した端子
  • カメラの機種と、音声記録・録音レベルの設定
  • 別のケーブルや別のカメラで試した結果

確認結果に応じて、購入や相談の要否を次のように分けます。設定の見直しで直った場合は購入せず、部品単位の相談とセット交換の判断を分けてください。

  • 買わなくてよい:差し先の誤り、ミュート、カメラの設定やゲインで直った場合
  • 部品単位で相談する:ケーブルやRXだけに原因が絞れた場合は、セット全体を買い直す前に、その部品の交換や修理についてDJIサポートの案内を確認する
  • TXだけを持っている場合:本記事の経路はRXからカメラへケーブルで出力する構成のため、RXが必要です。ただし、必要なのがRXだけかどうかを先に確認し、セット全体を自動的に選ばない
  • セットでの交換を選ぶ場合:保証や修理の案内を確認したうえで、TXとRXをまとめて入れ替えると判断した場合に限る

セットで入れ替えると決めた場合の候補は、TX2台・RX1台・充電ケースの構成です。

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よくある質問

RXの音量表示は動くのに、カメラの録画が無音なのはなぜですか?

RXの音量表示が示すのは、TXからRXまで音が届いていることです。RXの出力部(OUT)にケーブルが挿さっているか、カメラのマイク端子につながっているか、カメラが音声を記録する設定・撮影モードかを確認してください。

32ビットフロート録音をオンにすれば、カメラの無音や音割れも直りますか?

直りません。32ビットフロート録音は内部収録時にのみ有効な、TXの単独録音ファイル向けの設定です。カメラに記録される音声の形式は変わりません。

RXをカメラのシューに付ければ、ケーブルなしで音が入りますか?

本記事で扱う3.5mm TRS接続では、シューへの取り付けだけでは音声は入りません。付属のカメラケーブルでRXの出力部からカメラのマイク端子へ接続します。別売カメラアダプターを使う経路は本記事の対象外です。

まとめ

DJI Mic 2をカメラで使って音が入らないときは、TX単独録音・RXの音量表示・カメラ録画の3段階を分けて確認します。RXの表示が動かなければリンクとミュート、動くのに録画が無音ならRXの出力部(OUT)とカメラのマイク端子をつなぐケーブル、カメラの音声記録設定とゲインを見直します。最後は必ず試し撮りを再生して確かめ、それでも直らなければ記録した結果を持ってDJIサポートに相談してください。

参照した公式資料:DJI Mic 2 ユーザーマニュアル v1.2(日本語)/DJI Mic 2 ビギナーガイド/DJI Mic 2の32-bit フロート録音などの機能解説

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この記事を書いた人

S.Sのアバター S.S Fixory 運営者/テック系トラブルシューティング執筆

Fixory運営者。PC・ゲームデバイス・ネットワーク・スマホの「動かない・認識しない」を解決するトラブルシューティング記事を執筆しています。メーカー公式ドキュメントとコミュニティの一次情報を照合し、症状別に最短で原因を切り分けられる手順として整理することを方針としています。

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