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Nikon Z6IIIのRAW動画(N-RAW/ProRes RAW HQ)が途中で止まるときは、カードの適合性・空き容量、1回125分の上限、温度上昇、バッテリー切れを順に確認します。停止時の表示と残り記録時間が切り分けの手がかりです。大容量カードが役立つのは、撮影計画に対して容量が足りない場合です。熱や125分の上限は1330GBのカードでも解消しません。
最短で確認する5項目
- 停止直前に温度上昇の警告アイコンやカウントダウンが出ていたか
- 停止時点で動画の記録可能時間(残り時間)がほぼ0だったか
- 録画開始から約125分で止まっていないか
- カードの型番が、ニコンのRAW動画向け動作確認済みリストにあるか
- ファームウェアが古いままになっていないか
まず停止時の表示と録画条件を記録する
最初に行うのは、停止した直後の状況の記録です。記録する項目は、警告表示の有無、残り記録時間、録画開始からの経過時間、動画記録ファイル形式・画像サイズ・フレームレート、カード型番の5つです。次の表と照合してください。
| 停止時の状況 | 考えられる原因 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 残り記録時間がほぼ0で止まった | カード容量の不足 | 予備カードを用意する。撮影量に足りない場合は大容量の対応カードを選ぶ |
| 温度警告アイコンとカウントダウンの後に電源が切れた | カメラ内部の温度上昇 | 冷却と撮影の間隔を取る。[自動電源OFF温度]を確認する |
| 録画開始から約125分で止まった | 1回の最長記録時間 | 仕様上の上限のため、録画を開始し直す |
| バッテリー残量がなくなって止まった | 電源切れ | 充電済みバッテリーに交換する |
| 残量があり警告もないのに短時間で止まる | 動作確認外のカード、書き込み速度の不足、古いファームウェア | 対応カード・ファームウェア・カードの初期化を確認する |
| RAW形式を選ぶと録画自体が始まらない | SDカード、または32GB以下のXQDカードを使用 | CFexpress Type Bカードに替える |
1回の動画撮影の最長記録時間は125分で、カードの書き込み速度によってはそれより前に記録が自動終了する場合があると、ニコンの活用ガイドに記載されています。 また、バッテリー残量がなくなった場合やカメラ内部の温度が上昇した場合は、カードに空き容量があっても撮影が終了することがあると、動画記録可能時間のページに明記されています。
RAW内部記録に対応するカードとファームウェアを確認する
RAW動画の内部記録は、ニコンが動作確認したCFexpress Type Bカードで行うのが前提です。動作確認済みリストにないカードでは、記録可能時間内でも強制的に短時間で撮影が終了することがあると、ニコンはFAQで注意しています。容量が足りていても止まる場合は、まずカードの型番を確認してください。
ニコン公式FAQ(RAW動画撮影に使用できるメモリーカード)に掲載されている主なシリーズは次のとおりです。
- Nikon MC-CF660G(660GB)
- Nextorage NX-B1PRO/NX-B2PRO/NX-B3AEシリーズ
- ProGrade Digital Cobalt 1700Rシリーズ
- SanDisk PRO-CINEMAシリーズ
- Wise CFX-B PROシリーズ
一部の型番にはファームウェア条件があります。NX-B2PRO1330GはZ6IIIのファームウェアC:Ver.1.02以降、NX-B3AEシリーズとSanDisk PRO-CINEMAシリーズはC:Ver.1.10以降で使用可能とされています。
ファームウェアの更新履歴にも、今回の症状に関わる修正が含まれています。
- C:Ver.1.02:一部のCFexpressカードで動画が正常に記録できない場合がある現象を修正
- C:Ver.1.10:N-RAW 12-bitで撮影中、記録可能時間が残り少なくなるとエラーが表示されて撮影が終了し、カードに記録されない現象を修正
現在のバージョンは、MENUボタンからセットアップメニューの[ファームウェアバージョン]で確認できます。2026年9月24日時点のニコンのダウンロードページでは、C:Ver.2.00が提供されています。
対応カードでも読み書きが遅くなったと感じる場合は、カメラ本体でのカードの初期化も選択肢です。ニコンのカードの初期化のページでは、物理フォーマットに対応したCFexpressカードの場合、書き込みや読み出しの速度が遅くなったと感じたときに[はい(物理フォーマット)]を行うよう案内しています。手順は次の3ステップです。
- カード内の必要なデータを、パソコンなどに保存する
- セットアップメニューの[カードの初期化(フォーマット)]で、対象のスロットを選ぶ
- [はい(物理フォーマット)]を選ぶ。処理中は電源を切らず、カードも取り出さない
初期化するとカード内のデータはすべて削除されます。保存を済ませてから実行してください。
残り記録時間とカード容量を確認する
記録可能時間がほぼ0で止まった場合は、まずカードの空き容量を確認します。温度警告やバッテリー残量も合わせて見てください。RAW動画は記録するデータ量が大きく、660GBのカードでも20分前後しか記録できない設定があります。まず、自分の設定で660GBカードに何分記録できるかを、ニコン公式の目安で把握してください。
ニコン公式FAQ(動画記録可能時間の目安)から、RAW形式の主な値を抜粋します。条件は660GBのMC-CF660G・exFATで、複数の動画を記録したときの合計時間です。
| 記録ファイル形式 | 画像サイズ/フレームレート | 660GBでの記録可能時間(公式目安) |
|---|---|---|
| N-RAW 高画質 | 6048×3402 60p | 約23分 |
| N-RAW 高画質 | 6048×3402 30p | 約46分 |
| N-RAW 高画質 | 4032×2268 30p | 約103分 |
| N-RAW 標準 | 6048×3402 30p | 約90分 |
| N-RAW 標準 | 4032×2268 24p | 約237分 |
| ProRes RAW HQ | 6048×3402 30p | 約17分 |
撮影条件によって、同じカードでも記録できる時間は大きく変わります。容量不足で止まった場合は、カードを買い替える前に、画質(高画質/標準)や画像サイズの見直しで撮影計画に収まるかを確かめてください。
空き容量が残る場合は熱と収録上限を切り分ける
カードに空き容量が残っているのに止まった場合、原因は容量ではありません。録画開始から約125分なら1回の最長記録時間、温度警告の後なら熱、バッテリー表示が空なら電源切れです。いずれも大容量カードに替えても解決しないため、原因ごとに対処を分けます。
温度による停止は、表示で判別できます。ニコンの活用ガイドによると、カメラ内部の温度が上昇すると警告アイコンが表示され、さらに上がるとカウントダウンが始まり、0になると電源が自動的に切れます。対処は次のとおりです。
- 電源を切り、カメラが冷えるまで待つ。高温のカードやバッテリーは、温度が下がるまで取り出さない
- セットアップメニューの[自動電源OFF温度]を確認する。[高]にすると撮影できる時間を長くできるが、カメラ本体が高温になるため三脚などの使用がすすめられている
- [高]でも撮影条件によってはすぐにカウントダウンが始まることがあるため、長回しでは撮影の合間に冷却時間を取る
約125分での停止は仕様上の上限で、カード容量に関係なく発生します。長時間の収録では、125分に達する前に一度録画を止めて、開始し直す運用にしてください。
買い替えが必要な場合の330GB・660GB・1330GBの選び方
Z6IIIでカードを選ぶ基準は、速度より容量です。Z6IIIのカードスロットはCFexpress 2.0規格の速度でデータを転送するため、CFexpress 4.0対応カードの性能はそのまま発揮されません。1330GBは速度・熱・125分上限の対策にはならず、1日に撮るRAW動画の総量が660GBでは足りない場合に限って検討する容量です。
ニコンの使用できるメモリーカードのページでは、N-RAWやProRes RAW HQで撮る場合の推奨カードにNextorage NX-B2PROシリーズが挙げられ、データ転送はCFexpress 2.0規格の速度で行われると注記されています。同シリーズのメーカー公式仕様では、最低継続書き込み速度は330GB・660GBが3,400MB/s、1330GBが3,200MB/sで、容量が大きいほど速いわけではありません。
| 項目 | NX-B2PRO330G | NX-B2PRO660G | NX-B2PRO1330G |
|---|---|---|---|
| 容量 | 330GB | 660GB | 1330GB |
| 最低継続書き込み速度(メーカー公称値) | 3,400MB/s | 3,400MB/s | 3,200MB/s |
| Z6IIIのファームウェア条件 | 記載なし | 記載なし | C:Ver.1.02以降 |
| N-RAW高画質 6K 60pの目安 | 約11分(換算) | 約23分(公式) | 約46分(換算) |
| N-RAW高画質 6K 30pの目安 | 約23分(換算) | 約46分(公式) | 約92分(換算) |
| N-RAW標準 6K 30pの目安 | 約45分(換算) | 約90分(公式) | 約180分(換算。1回は125分まで) |
660GB欄はニコン公式の目安です。330GB・1330GB欄は、本記事が660GBの公式値を容量比で単純換算した概算で、公式値ではありません。購入後は、カメラに表示される記録可能時間で確認してください。
選び方の目安は次のとおりです。
- 330GB:短いカットを撮りためる使い方で、撮影の合間にデータを退避できる人
- 660GB:6KのN-RAWで1日に数十分〜1時間半程度を記録する人。ニコンの記録時間の目安もこの容量が基準
- 1330GB:イベントや長回しで、1日の総収録量が660GB 1枚を超えることが確定している人
予備カードを用意して交換する運用も検討してください。
価格・在庫状況はAmazonの商品ページでご確認ください。
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ここで挙げたNX-B2PRO以外にも、ニコンの動作確認済みリストにはMC-CF660Gや、最大2000GBの容量があるNX-B3AEシリーズなどが掲載されています。どのカードを選ぶ場合も、型番がリストにあるか、ファームウェア条件を満たしているかを購入前に確認してください。
改善しない場合の再現条件とニコンへの相談材料
動作確認済みカード、十分な残量、最新のファームウェア、冷えた状態という条件をそろえても短時間で止まる場合は、ニコンのサポート窓口に相談してください。その際、最初の章で記録した5項目を伝えると、状況が正確に伝わります。
- カメラのファームウェアバージョン
- カードのメーカーと型番、初期化の有無
- 動画記録ファイル形式・画像サイズ・フレームレート
- 停止までの経過時間と、停止時の残り記録時間
- 停止前後に表示された警告やメッセージ、撮影時の周囲の温度
別のカードでも同じ時間で止まるかを試しておくと、カード側とカメラ側のどちらに原因があるかを切り分けやすくなります。
よくある質問
SDカードでRAW動画は撮れますか?
撮れません。ニコンの活用ガイドでは、SDカードまたは32GB以下のXQDカードを使用している場合、N-RAW 12-bitまたはProRes RAW HQ 12-bitを選ぶと動画記録できないとされています。RAW動画にはCFexpress Type Bカードが必要です。
1330GBのカードなら125分より長く撮れますか?
撮れません。1回の動画撮影の最長記録時間は125分で、カード容量とは関係のない仕様上の上限です。1330GBで増えるのは合計の記録可能時間で、1回あたりの上限は変わりません。
ファームウェアのバージョンはどこで確認できますか?
MENUボタンを押し、セットアップメニューの[ファームウェアバージョン]で確認できます。更新にはカードリーダーとパソコンが必要で、手順はニコンのダウンロードページに掲載されています。
まとめ
Z6IIIのRAW動画が途中で止まったときは、停止時の表示、残り記録時間、バッテリー残量、カード型番を確認します。
- 残り時間がほぼ0なら容量不足。画質設定の見直しか、大容量の対応カードを検討する
- 温度警告やカウントダウンが出ていたら熱。冷却と[自動電源OFF温度]の確認で対処する
- 約125分で止まったなら仕様上の上限。録画を開始し直す
- 残量も警告もないのに短時間で止まるなら、カードの型番、ファームウェア、カードの初期化を確認する
1330GBのカードが役立つのは容量不足のケースだけです。速度や熱、125分上限の対策として買い替える必要はありません。

