MR05LNのディスプレイに出る「SIMを認識していません」は、公式マニュアルの状態メッセージ一覧で、nanoSIMカードが未挿入のときに表示され、挿入されていても認識していないときにも表示されるメッセージと定義されています。APN設定の誤りは「APN設定を確認してください」という別のメッセージです。最初に見るのは、画面のnanoSIM状態アイコンに表示されるスロット番号です。
MR05LNのSIM抜き差しは、電源を切って充電池パックを外す前提の作業です。画面だけで判断できることを先に済ませたほうが手戻りがありません。この記事は、表示の読み分け → 使用スロットの確認 → 挿し直し → 認識後の設定確認の順で進めます。
まず画面表示を読み分ける|「SIMを認識していません」と「APN設定を確認してください」は別物
この2つは、公式マニュアルの状態メッセージ一覧で別項目として定義されています。前者ではSIMの認識状態、後者ではAPNなどの接続先設定を確認します。表示を取り違えると、直す場所を間違えます。
公式資料:各部の名称とはたらき|Aterm®MR05LN ユーザーズマニュアル
本商品は操作が一定時間(約120秒)なかったときにディスプレイが消灯します。表示を確認する前に、電源ボタンを短押しして画面を点灯させてください。
| ディスプレイの表示 | 公式マニュアルでの説明 | 次に確認すること | 次の向き先 |
|---|---|---|---|
| SIMを認識していません | nanoSIMカード未挿入の場合に表示。挿入されていても認識していないときは同じメッセージが表示される | 使用中のスロット番号、SIMの挿入状態 | 本体側の確認 |
| APN設定を確認してください | LTE/3GのAPN(接続先)設定内容が間違っている場合に表示 | APN値、対象SIMの選択、[国内設定] | 本体側の確認(解決しなければ通信事業者) |
| PIN認証が有効です | PIN認証が有効の場合に表示。PINコードを入力して解除する | 契約時に案内されたPINコードの控え | 通信事業者への相談 |
| PINロック中です | PINコード入力を3回間違えると表示。解除にはPUKが必要 | PUKコードの控えがあるか | 通信事業者への相談 |
| PUKロック中です | PUKコード入力を10回間違えると表示。装着しているSIMは利用できない | 本体操作では解除できない | 通信事業者への相談 |
| 新ファームウェア公開中です | 新しいファームウェアが公開されると表示 | 更新の可否と手順 | 本体側の確認 |
あわせて、画面上部のnanoSIM状態アイコンも確認します。アイコンは「未挿入または未認識」「認識」「PINロック中/PUKロック中/PIN未承認」「国際ローミング」を区別して表示し、付いている数字はnanoSIMスロット番号を表します。自動SIM切替が動作中のときは青色で点灯します。
「APN設定を確認してください」については、公式Q&Aでも、APN設定が必要な場合にMR05LNのディスプレイへこのメッセージが表示されると案内されています。表示が「SIMを認識していません」のままであれば、APN値を見直す前に、SIMの認識状態と使用スロットの確認を先に済ませてください。
公式資料:各種SIMカードを挿入しても、「5G」や「LTE」で接続を行えない。
PIN・PUKの表示が出ている場合は、コードを推測で入力しない
PIN関連の表示は、SIMが読めていない状態ではなく、認証で止まっている状態です。公式マニュアルでは、PINコードの入力を3回失敗するとPINロック状態になり、PINロック解除コード(PUK)が必要になると案内されています。
公式資料:nanoSIMカードのPINコードを設定する|Aterm®MR05LNユーザーズマニュアル
- PUKコードを10回連続で間違えると完全にロックされ、装着しているnanoSIMカードは利用できなくなります。心当たりのない数字を試さず、契約中の通信事業者に問い合わせてください
- PINロック/PUKロック状態のときは、公衆無線LANも使用できません
- ディスプレイメニューからPINロックを解除した場合、PINコードは自動的に[0000]に設定されます
本体が見ているSIMスロットを確認する
MR05LNはnanoSIMカードスロットが2つあり、利用開始時はスロット1、次回以降は前回使用したスロットが起動します。SIM状態アイコンの数字がスロット番号なので、SIMを挿した位置と本体が見ている位置が一致しているかは、分解せずに画面だけで確認できます。
公式資料:デュアルSIM機能を使う|Aterm®MR05LNユーザーズマニュアル
公式マニュアルに記載されている、スロットまわりの仕様は次のとおりです。
- nanoSIMカードを2枚同時に利用することはできません。切り替えて使用し、切り替え時は通信を切断します
- 利用開始時に電源を入れたときはスロット1が起動し、次回以降は前回使用したスロットが起動します
- 前回と異なるカードスロットでnanoSIMカードを検出したときは、メッセージが表示されます
- 利用するnanoSIMカードによっては、再起動が必要となる場合があります
使用スロットの切り替えは、ディスプレイの[設定]-[SIM切替]、またはクイック設定Webの[詳細設定]-[SIM設定]から行います。設定変更のために再起動する場合があり、再起動中に電源を切ると本商品が正常に動作しなくなるおそれがあるため、完了まで待ちます。
自動SIM切替を使っている場合は、意図しないスロットが選ばれていることがあります。「クレードル切替」を選んでいると、クレードルに取り付けるとスロット2へ、取り外すとスロット1へ切り替わります。クレードルを使い始めた直後や外した直後に表示が変わったなら、この設定が関係していないかを確認してください。自動SIM切替が動作しない条件は次のとおりです。
- 公衆無線LAN接続中
- PIN/PUKコードの入力待ち
- らくらく無線設定・WPS設定・Bluetoothペアリング設定中
- ファームウェア・APNリストの更新中
国際ローミングがONのときは、自動SIM切替を有効にできません。
ここまでの観察結果を控えておくと、この先の判断と、必要になったときの問い合わせがそのまま進みます。
- □ 画面下部に出ているメッセージ(そのままの文言)
- □ SIM状態アイコンに出ている数字(1/2)
- □ SIMを実際に挿したスロット(1/2)
- □ SIM切替の設定(SIM1固定/SIM2固定/自動SIM切替)
- □ クレードルの使用有無
SIMを挿し直す|電源を切ってからの9ステップです
公式手順では、電源が入った状態でのnanoSIMカードの取り付け・取り外しを禁止しています。充電池カバーと充電池パックを外す作業になるため、ここまでの画面確認を済ませてから着手してください。挿し直しは、いま入っているnanoSIMカードを取り外してから入れ直す流れになります。手順は次の9ステップです。
公式資料:本商品の使いかた|Aterm®MR05LN ユーザーズマニュアル
- 電源が入っているときは、通常表示に戻してから電源ボタンを長押しし、電源オプションで[電源OFF]をタップして電源を切ります
- ACアダプタ/USBケーブル/クレードルが接続されているときは取り外します
- 充電池カバーの切り欠き部に指をかけ、持ち上げて取り外します
- 充電池パックの黒丸部分を持ち上げ、引き出して取り外します
- 入っているnanoSIMカードを「カチッ」と音がするまで押し込んで戻し、少し出てきたカードをスライドさせ、切り欠き側の先端を軽く押して浮いた反対側をつまんで取り外します
- nanoSIMカードのIC面を下にして、スロットの枠に合わせてのせます
- スライドさせながら「カチッ」と音がするまで押し込み、奥まで挿入されていることを確認します
- 充電池パックのリサイクルマーク面を上にし、本体の端子部と充電池パックの▲を合わせて取り付けます
- 充電池カバーの向きを確認し、すき間がないように取り付けます
取り外しは押し込んで戻す方式で、無理に引き抜く構造ではありません。公式マニュアルは、確実にロックされる前に指を離すとカードが飛び出すこと、逆挿入やnanoSIM以外のカードの挿入は故障につながること、IC部分に触れたり傷つけたりしないことも注意点として挙げています。充電池カバーの外しかたや充電池パックの向きは図で示されているため、作業前に公式マニュアルの該当ページを開いておくと確実です。
端子加工やSIMの切断、PIN/PUKの推測入力は避けてください。初期化も、表示や使用スロットを確認する前には行わないようにします。
- 接点を削る、磨くなど、SIMや本体端子の加工
- 紙やテープを挟んで浮きを調整すること
- サイズを合わせるためにSIMカードを切ること
- PINコード・PUKコードの推測入力
- 切り分け前の初期化(設定が消えるため、先に画面表示と使用スロットを確認します)
カバーを取り付けたら、ディスプレイに「NEC」と表示されるまで電源ボタンを長押しして電源を入れます(「NEC」表示は契約中の通信事業者によって変わることがあります)。起動後、SIM状態アイコンが認識を示す表示に変わったかを確認してください。すでに電源が入っている状態で入れ直す場合の公式手順は、電源ボタンを長押しして[電源OFF]をタップし、10秒ほど待ってから同じように電源を入れる、というものです。
公式資料:LTE/3Gに接続する|Aterm®MR05LNユーザーズマニュアル
利用者の投稿にも、抜き差しや再起動のあとに表示が変わった事例があります。以下は個別の投稿であり、発生頻度や原因を示すものではありません。価格.comのクチコミには、通信できていた状態から再起動するとSIMを認識せず通信できなくなることが時々ある、という2022年の投稿があります。返信では、本当に認識していないならスロット端子の接触不良が挙げられ、新品なら初期不良を含めて購入元へ確認することが勧められていますが、これは返信者の推測です。
出典:『SIM認識不良』 NEC Aterm MR05LN PA-MR05LN [ブラック] のクチコミ掲示板
同じ掲示板の2023年のスレッドには、2枚挿しで使用中に2枚目を取り外したあと1枚目がエラーになり、初期化後も2枚目の状態表示が戻らない、という投稿があります。ただし同じ投稿者は、SIMの装着自体は認識しているようだがLTEのアンテナが立たない、とも書いており、その後、ネットワークモードをLTEのみに変更したところアンテナが立ち、ハード故障ではなかったと報告しています。症状の受け取り方と、実際に止まっている場所は一致しないことがあります。認識まで進んでいるなら、次に見るのは回線側の設定です。
この経過は投稿者本人の自己申告で、原因が技術的に確定したものではありません。LTE固定はすべての契約・環境で適切な設定とは限らないため、変更する前に契約中の通信事業者の案内を確認してください。
出典:『SIM認識しなくなる 復旧方法について』 NEC Aterm MR05LN PA-MR05LN [ブラック] のクチコミ掲示板
認識できた後もつながらない場合|APN・ネットワーク・契約条件を確認する
SIM状態アイコンが認識を示していれば、確認する場所は接続先設定と回線条件に移ります。公式マニュアルは、うまく動作しない場合の確認先として、APN値の誤り、対象SIMの選択、[国内設定]のチェック、ショートカットの[LTE/3G]、契約種別を挙げています。
- APN値:契約中の通信事業者が指定した書類やnanoSIMカードのケースなどに記載された値をそのまま入力します。APNに「スペース」「”」「&」「,」「:」「;」「<」「>」「\」は使用できません
- APNの種別:APNが3G端末用とLTE端末用に分かれている場合、本商品はLTE端末のため、LTE端末用を設定します
- 対象SIMの選択:スロットの選択が違うと、確認している接続先と実際に使うSIMが一致しません。対象SIMを選び直して接続先を確認します
- [国内設定]のチェック:設定した接続先の[国内設定]にチェックが入っているかを確認します
- ショートカットの[LTE/3G]:[OFF]と表示されている場合はタップし、[OFF]の表示が消えることを確認します
- 契約種別:本商品では、3G回線契約のみのnanoSIMカードは利用できません。契約内容が不明な場合は契約中の通信事業者に確認します
- ネットワークモード:公式マニュアルには、契約内容によってはSIMが3Gに対応しておらず「3G」に固定していると圏外になる場合があるため、「自動(LTE/3G)」または「LTE」に変更するという案内があります。設定値は契約条件に合わせて選びます
公式資料:LTE/3Gに接続する(接続設定とトラブル時の確認)
SIMそのものの対応状況も条件になります。公式サイトにはMR05LNで接続確認を行った通信事業者のリストが公開されており、リストに掲載されていないサービスのnanoSIMカードを挿入して利用する場合は、動作確認が実施されておらず動作保証は行われないと明記されています。契約中のサービスがリストにあるかどうかは確認しておく価値があります。
公式資料:Aterm MR05LN 接続確認済4G(LTE)/3Gサービス事業者リスト|動作検証情報|サポートデスク|AtermStation
ファームウェアの版も確認します。公開されているバージョンアップ履歴では、Ver4.2.0(2020年10月)で、楽天モバイルの「rakuten.jp」のSIMを挿入して装置を起動させた際に利用環境によっては起動できない場合がある不具合へ対応したと記載されており、最新はVer4.3.1(2023年5月)です。事業者リストの備考にも、rakuten.jpは出荷時期によりファームウェアのバージョンアップが必要な場合があると記載されています。「新ファームウェア公開中です」と表示されている場合は、更新してから改めて確認してください。
公式資料:MR05LN|ソフトウェア|目的別で探す|Aterm(エーターム) サポートデスク
改善しない場合の相談先と、伝えるべき情報
相談先は表示で分かれます。PIN・PUK関連と契約条件はSIMを発行した通信事業者、本体の動作はAtermの窓口です。公式のサポート期間一覧(2026年7月現在の情報として掲載)では、Aterm MR05LN(PA-MR05LN)は「サポート期間中」と記載されており、問い合わせと故障時の修理受付の対象です。
公式資料:Atermのサポート期間について|Aterm(エーターム) サポートデスク
ただし、回線事業者やプロバイダから購入・レンタルしたAtermを使っている場合は、マニュアルに記載の問い合わせ先へ連絡する必要があり、メーカーの窓口では受け付けられません。手元の書類で購入経路を確認してから連絡してください。
公式資料:お問い合わせ|目的別で探す|Aterm(エーターム) サポートデスク
問い合わせの前に、次の情報をまとめておくと確認が早く進みます。
- □ 画面下部に出ているメッセージの文言
- □ SIM状態アイコンの表示とスロット番号
- □ SIMを挿しているスロットと、SIM切替の設定
- □ SIMを発行した通信事業者名とプラン名(データ通信専用か、音声通話と併用しているか)
- □ 本体のファームウェアバージョン
- □ いつから発生したか、直前に行った操作(SIMの入れ替え、クレードルの着脱、設定変更など)
- □ 別スロットに挿し替えた場合の表示の変化
対応回線や契約条件、修理の受付状況は変更されることがあります。実際の判断は、契約中の通信事業者とメーカーの現行情報を確認したうえで行ってください。故障内容によっては修理を受けられない場合もあります。
よくある質問
SIMを挿しているのに「SIMを認識していません」と表示されるのはなぜですか?
公式マニュアルでは、このメッセージはnanoSIMカード未挿入の場合に表示され、SIMが挿入されていても認識していないときにも表示されると説明されています。「挿している=表示が消える」ではありません。本体が見ているスロットとSIMを挿した位置が違う、奥まで入っていない、接点が読めていない、といった状態が候補になります。
初期化すれば直りますか?
初期化を最初の対処に置くことはおすすめしません。設定が消えるため、先に画面表示と使用スロットを確認します。表示の読み分けと使用スロットの確認、公式手順での挿し直しを先に済ませ、それでも変わらない場合の選択肢として検討してください。
2枚のnanoSIMカードを同時に使えますか?
できません。MR05LNはスロットを2つ備えていますが、公式マニュアルでは2枚同時に利用することはできず、切り替えて使用すると明記されています。切り替え時は通信が切断されます。
まとめ
MR05LNで「SIMを認識していません」と表示されたときは、APN設定を疑う前に、そのメッセージが何を意味しているかを公式の定義に沿って読み分けるところから始めます。
- 「SIMを認識していません」はSIMが読めていない段階、「APN設定を確認してください」は接続先設定の段階で、直す場所が異なります
- スロットは2つあり、利用開始時はスロット1、次回以降は前回使用したスロットが起動します。アイコンの数字で使用スロットを確認できます
- SIMの抜き差しは電源を切って充電池パックを外す作業です。端子の加工や紙を挟む処置は避けます
- 認識した後もつながらない場合は、APN値・対象SIMの選択・[国内設定]・[LTE/3G]・契約種別を順に確認します
- 改善しない場合は、SIM側は契約中の通信事業者、本体側はAtermの窓口へ。購入経路によって問い合わせ先が変わります

